本当のこととして感じられる度合い
小説を読んでいて、胸が苦しくなったことはありますか?
紙の上にあるのは文字だけです。それでも読んでいる間は、その場面の中に自分がいるように感じられる。その場にいるように感じられる度合い、本当のこととして感じられる度合いを臨場感と呼びます。
「I×V=R」という式があります。Iはイメージ、Vは vividness、Rはリアリティです。vividness には、あざやかさや鮮明さ、なまなましさといった意味があります。このVにあたるのが、炁-iKI-で言う臨場感です。
炁-iKI-でも現実とはイメージに臨場感があることを言います。
二つは同時に立たない
同じことについての戻る先は二つ同時には立ちません。では、どちらが選ばれるのでしょうか?
臨場感の強いほうが選ばれます。二つの言葉を話す人は、使う言葉によって自分の性格の答え方が変わることが研究で示されています。これはその時に臨場感の高いほうが前に出る例です。
今の自分には、これまで過ごしてきた年月の分の臨場感があります。多くの場合に戻る先が今の自分の側に立っているのは、そのためです。
目標を達成している状態を、戻る先に置く
炁-iKI-の心法では、コンフォートゾーンを移すときに、目標を達成している状態をコンフォートゾーンとして置きます。目標は行き先の地点なので、そのままでは演じられません。演じられるのは、それを達成している自分の振る舞いです。
その振る舞いを今の自分が演じ、達成している状態の臨場感を今の状態の臨場感より強くしていく。
臨場感が今より強くなると、現状の居心地が悪くなります。今の状態が、もう戻る先の外にある印です。この居心地の悪さは、移したあとも消えません。炁-iKI-は、それを消すことを目的にしていません。居心地が悪いまま、達成している自分の振る舞いを続けていきます。
居心地の悪さがすっかり無くなったときは、戻る先が今の自分の側へ戻った印です。その話は、エフィカシーのページに書きました。
どこから始めるか
遠くの自分をいきなり思い描いても、本当のこととして感じられなければ戻る先にはなりません。今の自分にも達成している自分にも臨場感があるところから始めましょう。
炁-iKI-の心法では、思い描くとき、そこへ至るやり方を考えません。考え始めると、しなければならないことが入り込んで臨場感が落ちます。
イメージは体の感覚と結んで使います。呼吸や目線や触れている感じのように、体の側で確かめられるものを錨にして、そこから広げる。錨を持たないまま思い描くと、今いる場所と照らし合わせる手立てがなくなります。
広げずに、移す
コンフォートゾーンを広げる、という言い方を聞いたことはありますか?
炁-iKI-では広げません。広げれば居心地の悪さが消え、戻ろうとする力も消えるからです。狭く正確に定めて移す。広げていくのは、不快なまま行動できる範囲です。
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