今の状態を保とうとする働き
体温を測ると、毎日だいたい同じ数字が出ます。暑い日も寒い日も大きくは変わりません。何故でしょうか?
暑ければ汗をかいて体温を下げる。寒ければ皮膚の血管を縮めて熱を逃がさないようにし、体を震わせて熱を作る。外の気温がどれだけ動いても、体は自分の状態を一定の範囲に収めようとしています。
この働きをホメオスタシスと呼びます。日本語では恒常性維持機能です。生き物に生まれつき備わった働きで、これが命を守っています。
心にも働き、良し悪しを選ばない
炁-iKI-ではホメオスタシスを心理の面にも働く力として扱います。気分の振れ方にも毎日の行動にも、いつもの状態から外れれば同じ力が働く。
もう一つ大事な性質があります。この働きは今の状態が良いか悪いかを判断しません。安定してさえいれば、その状態をひたすら保って変化を退けます。本人にとって都合の悪い状態でも、長く続いていれば保つべき状態として扱われます。
負のフィードバックと正のフィードバック
負のフィードバック(ネガティブフィードバック):
起きた変化を「元に戻す(抑える)」方向に働く仕組みです。ホルモンが過剰になると分泌を減らし、足りなくなると増やすことで、体温や血糖値、ホルモン濃度を一定の正常範囲に安定させます。ホメオスタシスの維持には、大半がこの負のフィードバックが関わっています。
正のフィードバック(ポジティブフィードバック):
起きた変化をさらに「加速・増幅させる」方向に働く仕組みです。血液凝固の反応や出産時の子宮収縮など、目的の現象が完了するまで一時的に変化を大きくします。
同じ二つの形は目標に向かうときにも現れます。目標を達成したいのに今の自分へ戻ってしまうのは、負のフィードバックです。目標を達成している自分の側にコンフォートゾーンがあって、やりたいから動く want to の形になっているなら、それは正のフィードバックです。
戻ろうとする力と、戻る先
炁-iKI-ではホメオスタシスを「外れると戻ろうとする力」の名前として使います。この語はもっと広い意味でも使われますが、このページで言うホメオスタシスは力の名前までです。
力があれば戻る先があります。どこへ戻ろうとしているのか?
その戻る先をコンフォートゾーンと呼びます。ホメオスタシスは力の名前で、コンフォートゾーンは場所の名前です。二つを分けて持っておくと、この先の話が追いやすくなります。
壊さずに、向きを見る
ホメオスタシスは、変わろうとする人にとっては手強い敵になります。戻る先が移れば同じ力が今度はそちらへ引き上げる。
力は一つです。向きを決めているのは戻る先です。
炁-iKI-もこの働きを壊そうとはしません。戻る先がどこに置かれているかを見て、そこを移していく。移し方は臨場感のページに書きました。
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