誘導

誘導は、臨場感と行動の接続を動かす

人は言葉だけで動くのではなく、何を現実らしく感じ、誰とどの関係にいるかによって行動を選んでいます。

自己誘導と他者誘導は、同じ回路を使う

内部表現とは、知覚、記憶、感情、言葉などで内側に作られている世界のことです。

自分の言葉、記憶、イメージで内部表現が動く自己誘導と、他者からの働きかけで動く他者誘導があります。

入口は違っても、臨場感の強い情報が行動を引く構造は重なります。

変性意識で、外界と内部表現の重みが変わる

変性意識とは、外界よりも内部表現の臨場感が相対的に強くなった状態です。

注意が狭く固定されたり、内側のイメージが現実らしく感じられたりすると、与えられた前提が判断に入りやすくなります。

催眠は、この変性意識と暗示を使う誘導です。特別な人だけに起きる状態ではありません。

ラポールが、言葉を入れる前の通り道になる

ラポールとは、相手との間に生まれる、言葉や反応が通りやすい関係です。

同じ言葉でも、誰の言葉として受け取るかによって、その情報の重みは変わります。

暗示は文句だけで成り立ちません。言葉を受け取る前の関係も、誘導の一部です。

暗示は、意味の候補を置く

暗示とは、何に注意を向け、出来事をどう読むか、その意味の候補を置く働きかけです。

命令形の言葉だけが暗示ではありません。

質問、比喩、前提、間、言い換えも、見え方と受け取り方を動かします。

洗脳とコーチングは、利益と行き先で分かれる

洗脳とは、本人ではない誰かの利益や行き先に合わせて、認識、判断、行動を誘導することです。

コーチングも、認識と臨場感を動かす仕組みには重なる部分があります。

他者の都合の良い行動へ向けるのか、本人が決めた行き先への選択を支えるのか。この違いを曖昧にしません。

防ぐには、相手の手法だけでなく自分の反応を知る

誘導を一切受けない人になることはできません。

不安、権威、繰り返し、集団への同調は、自分の注意と臨場感を動かします。

相手が何をしたかだけでなく、自分の内側で何が強くなり、何が見えなくなったかを知ることが防衛の入口です。

最後は、本人が振る舞いを選ぶ

自己誘導でも他者誘導でも、理解の終点は行動です。

反応の強さがそのまま行動を決める前に、自分が決めた行き先と合う振る舞いを選びます。

施術で他者に働きかける場合も、最後に選ぶのは本人です。その選択を取り上げません。