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コンフォートゾーン

戻る先として設定された範囲

快適な場所、とは限らない

コンフォートゾーンはよく「快適な領域」と訳されます。名前に快適という意味の語が入っているので、居心地の良い場所のことだと受け取られやすいです。

炁-iKI-ではこの語を、外れると戻ろうとする力が働く設定された範囲の名前として使います。居心地が良いかどうかは問いません。戻ろうとする力がホメオスタシスで、その力が戻そうとする先にある範囲がコンフォートゾーンです。

サーモスタットの幅

これを空調のサーモスタットに喩えてみます。二十度に設定すると、室温が十度なら暖房が入り、三十度なら冷房が入って二十度に近づける。ただし十九・九度で暖房、二十・一度で冷房と細かく切り替えていては機械がすぐに壊れます。そこで数度の幅を持たせ、その間は何もしないか風を送るだけにしておく。空調ではこの幅を不感帯と呼びます。コンフォートゾーンにあたるのは、この幅です。

幅の中にいる間は何も起きません。外れたときに戻す力が働く。

設定された温度が、快適かどうかで選ばれたとは限りません。

体温にも、感情にも、行動にも

炁-iKI-ではこの語を、目標の話より手前から使います。体温にも体調にも、感情にも行動にも、それぞれ設定された範囲があります。いつもの体温、いつもの体の重さ、いつもの気分の振れ幅、いつもの一日の動き方。どれも外れれば戻す力が働く。

皆さんの気分には、どれくらいの幅が設定されているでしょうか?

感情が外れたままでも、行動は戻れる

範囲は一つずつ別にあるので、感情の範囲から外れたままでも行動の範囲には戻れます。怒りや恐怖が残っていても、行動できる状態には先に戻れる。

炁-iKI-が主に扱うのは行動の側です。感情を範囲の内へ戻すこと自体は目的にしていません。

戻る先を移すときにも、この働きが要になります。今いる状態がコンフォートゾーンなので、そこから出ると落ち着かなくなります。そこで炁-iKI-の心法では目標を達成できている自分のほうをコンフォートゾーンとして置きます。置き方は臨場感のページに書きました。

達成できている自分として振る舞おうとすると落ち着かなさが出て、いつもの側へ押し戻されます。だからこそ一息入れます。この一息は落ち着かなさを鎮めるためのものではなく、さあ、今日もやるぞ、の一息です。鼻から吸って口からフーッと吐き、達成できている自分の振る舞いを今日もひとつ選びます。ここに我慢や頑張りは置きません。達成できている自分が本当のことに感じられてくるほど、しなければならないから動くのではなく、やりたくて動く側へ寄っていきます。今の居心地の悪さは、そこへ向かう力です。

怪我や事故のように、望まずに範囲の外へ押し出されることもあります。そのときの呼吸は、いつもの範囲へ戻るためのもので、上の一息とは場面が違います。この見出しの初めに書いた、感情が外れたままでも行動には戻れる、はそちらの側の話です。

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